中核都市におけるトータルな交通体系にむけて

冒頭でも述べたとおり、浜松中心街の活性化は、中心街のトランジット・モール化と、郊外から中心部へのアクセス向上がキーポイントになっています。歩行者、クルマ、バス、LRTが敵対関係になるのではなく、互いに共存しあうような交通体系を構築する必要があります。それぞれの交通手段には長所と短所があり、長所は伸ばす方向で考え、短所は他の交通手段でカバーするという考えに基づいて、トータルで交通体系の質を向上させていかなければなりません。

これは浜松中心街に限ったことではなく、すべての中核都市に言えることです。地方中核都市は東京や大阪のような大都市圏をまねする必要はありません。ミニ東京などはもはや不要です。そもそも都市のスケールが違うので、同じことをやろうとしても無意味ですし、いつかは破錠します。中核都市には「中核都市ならでは」のやり方があるはずです。そして大都市圏にはない「個性」を出していくべきです。

ざっくばらんな言い方ですが、街が元気かそうでないかは、人の往来がどれくらいあるかと同じと考えてもよいと思います。どうすれば人の往来を増やすことができるか、今までのような画一的な思考ではなくて斬新的な思考が必要となります。そのためにも交通体系はトータルでどうあるべきかを考えていく必要が出てきているのです。



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