市の上層行政機関


地方自治体は2重構造ではなく1重構造が望ましいとすると、市の上層には「国」がくることになります。仮に現在の都道府県の権限がすべて市におりるとしても、依然として国の中央政府がおおかたの権限を握っていることに変わりありません。階層がひとつ減って効率的になったとしても、根本的な解決には至っていないのです。

日本狭しといいますが、地域ごとにそれなりの特色を持っています。例えば北海道と九州を比べても、まず気候が全然ちがうし、文化や産業構造、それぞれの住人の価値観も異なります。そもそもそういう地域をむりやりひとくくりにして、なんでもかんでも中央政府の権限で行うというところに無理があります。

それではどうすべきでしょうか? 市の上には国がくるという原則は変えないとすると、日本を分割して地域ごとに「小さな国」を作り、それぞれの「小さな国」が政府・国会・裁判所を持ち、三権を行使してそれぞれの地域を治めればよいのではないでしょうか。分割の単位は、自然環境、文化、産業などでおおまかにまとめられた比較的広範囲な地域となると思います。しかし分割と言っても日本国はれっきとしたひとつの国家なので、それを単に分割するというのは現実的ではありません。

そこで、日本という国はそのままにしておき、さきほどの「小さな国」ごとに現在の中央政府と同じ権限を持った複数の政府を置きます。この政府を州政府と呼ぶことにします。そして日本国としての政府は存続させる必要はありますが、国家の基幹業務と州政府の補完業務を行うにすぎないという非常に小さな組織となると思います。この小さな組織を連邦政府と呼ぶことにします。


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